「体験すれば成長する」詐欺にご注意。
働き過ぎたのか、動きすぎたのか。
久しぶりに熱を出して寝込んでました。。。
2日ガッツリ寝て、なんとか回復!
今日から活動再開です。
さてと。世の中、いろいろと胡散臭いものがあるもんで。
良い例は「コンサル」という職業。
言い方を変えれば「教えるよ、できるようになるよ詐欺」です。
今の時代、何かしらやろうと思った時、
本やネットで情報はすべて手に入ります。
その知識をまず理解し、実践の場を自分で作り、改善することができれば、
基本的に、はじめの一歩は踏み出せるはずです。
コンサルの助言というのは、その時間を節約するためのものであるべきで、
顧客1人、1企業に対して、1回で済むべきものです。
でもそれでは安定した商売になりません。
だから、できないであろう人に、どうせできないことを、
できるようにならない前提で情報提供する。
ずべてのコンサルタントがそうだとは言いません。
本当に顧客の成功を祈り、自分事のように一生懸命な方もいる。
でも大半はそうは見えないのです。
次に、僕のような人材育成に専門性がある人間が見ると、
「体験すれば、成長するよ!」詐欺というのが多く見えます。
学生向けの各種インターン、留学、団体活動の勧めなどがそうです。
進学塾とか、就活対策はいいんです。
結果が明確で、そこを通り抜ければ成功ですから。
でも前述の活動は違う。
成長をとりあえず以下のように定義します。
・今までできなかったことが、できるようになること。
・今まで挑戦できなかったことに、挑戦できるようになること。
・その過程での体験、思考、行動、結果を、自分の中で体系化できること。
つまり、確実に能力として形が残り、
明らかな行動・思考の変化が起こることが成長です。
体験すれば成長する。確かにそういうときもあります。
そもそも、自分の力で成長できる能力のある人は、
自分で経験の場を探し、選び、勝手に成長します。
そういう人は、前述のコンサルの力も必要としません。
では、そうでない人にとって、「体験すれば成長する」の、
なにが危ないのか?
体験したら成長した、と錯覚するのが危険です。
そして、そのサービスを提供する側も、
体験させたから成長させた、と思い込んでいます。
本来、人材育成は、職人的能力を必要とする仕事です。
育成のターゲットになる個人の本質を見極め、
表面上ではなく、心ベースのコミュニケーションを取り、
その人が持つ輝く部分を磨く手伝いをする。
そのために、極めて高度なコミュニケーション能力が必要です。
それは、なんとなくやってきた適当な会話レベルではありません。
育成ターゲットの、その時の体験の様子を観察し、
行動や言動から、その時のタイムリーな思考回路を把握し、
成長のために必要な指導、アドバイス、ガス抜きができなくてはなりません。
極めてアドリブ的な発想と、対応が必要です。
それができる経験と、そのための知識の蓄積、アウトプットが必要です。
育成ターゲットが成長しはじめたとき、
その歩みにさらなる加速度をつけるために、
さらに上を見せることができる人物でなければいけません。
自分は成長していないのに、人に頑張れという。
そんな人のアドバイスなんか受けるわけがないのです。
このように、人材育成とは、
成長したいと願う人に、常に寄り添い、
適時、コミュニケーションをとり続ける仕事です。
どこぞの作業所やら、活動フィールドに解き放って、
適当に面談をすれば済むような話ではないと思っています。
何人も、そういったことを仕事としている人を見てきました。
サポートする側も、サポートを受ける側も、
体験することで成長したと勘違いして満足している。
そんな現場の多いこと…
一生懸命、成長への扉の入り口に立って、
もう一歩踏み出そうとしている学生の話を、
どこで習ったのか、ただただ業務的なカウンセラーに徹して、
通り一遍、否定はしない。肯定するだけ。
背中を押す一言を発しないアドバイザーの姿を見た時は、腹が立ちました。
特に、若い人にはその辺りをしっかり考えて欲しい。
体験するだけで成長できた!と思うのは気持ちはいいでしょう。
でも成長してないですよ?ってことは、貴重な時間のムダですね。
逆に、若い人を成長させたい、と思う大人こそよく考えてください。
あなたのその自己満足で、どれだけの若者の時間をドブに捨てるんですか?
あなたの能力は、人物の能力を開花させるレベルにありますか?
ただ話をするだけなら、本とネットで十分です。
高い料金をとって、不明瞭な結果しかでないような、
詐欺的行為を行っているのなら、今すぐ辞めましょう。
若者や学生の善意を利用して、自己の承認欲求を満たそうとし、
挙句の果てには金儲けまで考える。
下衆な大人が少なくないこの社会。
それに気がついている人たちで、変えていきませんか?